ある夏の日のトランプ

夏らしい夏も体験しないうちに、夏が終わってしまう。

ある日、毎日、夜遅くまで仕事をしているスタッフに、僕は「夜食にスイカを食べたい!」と、言った。「事務所の中で、スイカ割りをしよう!」と言うと、みんなは、「いいですねーーー!」と...Tは、すかさず、「私、波の効果音やります」と言う。さすがにやらなかったけど... でも、仕事ばかりじゃ、みんなの青春が台無しだ。思わず、僕は、「トランプやりたい」と、つぶやく。きっと、あのヘルシンキの公園で、短い夏を楽しんでいるトランプの女の子を思い浮かべたのだろう。 食後のちょっとした30分位の息抜きのつもりが、1時間になり、2時間になり、3時間になり、4時間になり、電車がなくなるまでヒートアップしてしまった。そのうち、「勝った」「負けた」と、絶叫とともに、外では、まるで効果音のように雷が鳴り、負け方がおかしいだの、勝負どころでずるいだの、お腹がねじれるくらい、みんな笑った。 ババ抜きでは、必ず最後は、北海道出身の僕と、愛媛出身のTの二人が残り、ジョーカーの抜き合いなってしまう。二人ともカードを2枚しか持っていないのに、何度も何度もジョーカーをひいてしまう。お互い、地方出身者のサガなのか、目がカードを見つめているので、すぐばれてしまう。 それを見ていた都会育ちのITは、毎回、勝っているのに、悔しがる。なぜだ?勝っているからうれしいはずなのに、毎回、ジョーカーを引き合っている駆け引きができない、僕達を羨ましがっているのだ。 ゲームは、負ける方が楽しい事もあるようだ。仕事では、いつも厳しい要求をつきつける僕だけど、仕事を離れてボーダーレスになることがあってもいい。僕は、特別偉いわけではないのだから。失敗もするし、負けもする。若いスタッフとなんら変わらない。ただ、みんなより、多くの経験を積んできたというだけ。さてとっ!今日は、トランプ誘われてもやらないぞ!

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美しく、輝く、輪を求めて。

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