そらみみの「ソ」

ある日、撮影打ち合わせのために当社でオールスタッフミーティングを開いた。クライアントの担当者の上司が急遽、海外出張とかで、オーディション、ロケ地、コスチュームがまだ決まらず焦っていた。もうこの日には見切り発車しなければ、本番で間に合わなくなる。

そこで、みんなが集まる前にお弁当を買って、昼食を食べながら打ち合わせしようということになり、スタッフと一緒に近くのおばちゃんがやっているお弁当屋へ買い出しに行った。「え〜とっ、鯖の味噌煮弁当と幕の内弁当と.....(最後に)スタジオザップで領収書ください。」おばちゃん、「えっ!キタジマサブロー?」僕は普段しゃべりがあまり得意ではないのと、モゴモゴしゃべる癖があるので再度、口を大きく開け、「ス・タ・ジ・オ・ザ・ッ・プッ」と唾を飛ばしながらはっきりと言った!はず#なのに?そのおばちゃんは、また「キタジマサブロー?」と聞き返した。


僕は心の中で「もういいっ!」と叫び、カタカナで書かれた(株)キタジマサブローの領収書をもらってポケットにくしゃくしゃに丸めて、事務所に戻ってから後でゴミ箱に捨てた。ねえ、みんな〜!どこが、キタジマサブローだと思う?どこもかすっていないよね。

また、カフェで、イタリアンレストランで、ファミレスのレジでコピーライターと打ち合わせが終わり、さっと伝票を握りしめ、「まあまあまあ、ここはわたくしがっ!」みたいな、なんとか大人っぽくダンディに決めたい時がある。そして、スマートに手の平を上に向けて出口にむかって、『まあまあまあ、お先にどうぞ』と無言でよくある光景をやるじゃないですか?


それなのにレジで「スタジオザップで領収書ください」と言うと、若造とか、若ねーちゃんったら、「スタジオジャップ」とか、「スタジオジップ」とか、「スタジオザット」とか、「スタジオゲット」とか、終いには「スタジオ雑布」とか...その都度、僕は客席のみんなが振り向く位の大きな声で、「ザッ、プーッ」と叫ばなければならない。若い子って、カタカナの「ザ」と「プ」が書けないんだよね。昔の電報みたいに、「すいかのス」「たんぼのタ」「じかんのジ」「おばあちゃんのオ」と言わなければならないのか?レジは、ダンディに決める絶好の場なんだよ。

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美しく、輝く、輪を求めて。

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