デザイン会社の半分をギャラリーとしてオープンしてから、1年と9ヶ月が経つ。この間、いろいろ試行錯誤しながら考え方が言葉として纏まってきた。いわゆる、コンセプトというやつ。コンセプトという煙に巻くような言葉を使いたくないから、考え方とでもいうのであろうか?簡単にいうと、自分が「こんなギャラリーがあればいいのになあ?」と思ったことからだった。なぜ、多くのギャラリーは、難解な現代アートが多いのか?もっと、身近なアートを探すと途端に壁紙のように安っぽくなってしまう。そこで、ギャラリーの考え方を以下、平易な言葉でまとめてみた。そして、自宅の生活空間で「アートのある暮らし」を実践してみた。
アートには、いろいろな解釈があると思います。有名作家をコレクションする満足感、または、部屋に飾ることによって生活が豊かになるアート。ギャラリーヴィグロワでは、有名無名に関わらずアートを部屋に飾って、生活空間がおしゃれになったり、素敵になったり、ついつい友達に電話して「うちに遊びに来ない?」と言いたくなるような素敵ライフを提案していきたいと思っています。
「今までのギャラリーでは、敷居が高すぎる」でも、「百貨店やインテリアショップにあるポスターでは軽すぎる」と思われている方にぴったりの中間を目指しています。投資のためのアートや難解なアートではなく、生活空間を彩り素敵になるアートがあるといいですよね。「海外のインテリア雑誌や書籍に載っているようなアートはどこに行ったら買えるのだろう?」と思っていました。多くのアートギャラリー、画廊はなかなか敷居が高く、アートを鑑賞するにはその世界に入り込めますが、感動のあまり「自分の部屋に合うのかどうか?」ということを考える間もなく、その場を後にしてしまいます。 本当は、アートを鑑賞しているときに想像していただきたいことは「自分の家のどこに飾ろうか?」「リビングに飾ると家族が明るくなる」「仕事から帰ってきて、自分の書斎に籠ったときに落ち着く」「トイレにもキッチンにも玄関にもベッドサイドにも素敵なアートがあれば、心がなごみ生活が豊かになるだろうなあ?」などと夢を膨らませることです。ダイニングテーブルにさりげなく乗った一輪の花、窓から斜めに射し込む午後の日射し。階段の踊り場に飾られてあるアートなど、通りがかりにちらっと目にするアートは主張もないけれど心地良いものです。私たちが目指すアートは、そのようなアートです。 こんなギャラリーがなかったので、自分でギャラリーを始めてしまいました。難しい言葉ではなく、みなさんに共感していただけることばで、飾らず気取らずありのままの気持ちをステートメント化しました。
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