アーバン、ナチュラル派

然別湖から、北東へ向って糠平湖(ぬかびらこ)へ行った。


原生林に囲まれた山々の間には、靄がかかっていた。山林を走る車の前方には、青い鳥が左右に振り子のように飛びながら導いてくれる。湖へ辿り着いたら朝日が昇りかけていた。十勝の山の中は気温も低く、湖面には朝靄が漂っていた。なんとも幻想的で美しい風景。真っ暗な夜道から、ぱっと明るくなった気分だった。湖面に浮かぶ靄が朝日を反射して、優しく温かみのあるピンク色に染まっていた。何か心の中を投影しているかのようだった。


風景というのは、気分を爽快にしてくれたり憂鬱になったりと感情を揺さぶる。この場所に身を置くことによって、風景と一体になれる喜びを感じた。都会派を豪語していた僕は、自然の美しさに打ちのめされた。現代社会では、多くの人と表面的な関係を築き、家庭を築き、仕事を通じ、趣味に高じる。彼らは、何かに利用するための人間関係を築き、誰かにしがみつき、友人も恋人も戦略的に選ぶ。



自然のいいところは、そういうこととは無関係に日々の張りつめた緊張を楽にしてくる。居心地のいい人間関係というのは、地位や経済力でもなく、お互いに安らぎを与え、緊張を解き放してくるような関係だ。喜びを分かち合い、一体となれるとよりいい。 僕は、自然が好きになった。これからは、自らをアーバン、ナチュラル派と呼ぶことにしよう。

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美しく、輝く、輪を求めて。

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