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スイスのグラフィックデザイン

神田にある竹尾の見本帖本店ショールームへ行ってきた。 2階のギャラリーでスイスのポスター展をやっていたので観て来た。いつもは、スタッフに紙を買いに行ってもらっていたけど、今日は雨の中てくてくと自分の目で紙選びをしてみようと思った。

ギャラリーでは、90年代にMacがデザイン界に浸透し始め、日本ではみんな模索していたころに活躍していたスイスのグラフィックデザイナーだった。ちょうど、バブルが弾けて、僕は無謀にも周囲の反対を押し切って会社を飛び出した。上司からは「今、辞めるのは辞めろ!本当に大変な時期だから」と言われたにもかかわらず、死ぬ気でやればなんとかなると脳天気に2ヶ月で会社を設立した。ところが、仕事はなかった。独立前に紹介を約束していた友人、知人に電話をかけまくったけど、ことごとく断れた。世の中、そう簡単に人の言葉を信じていけないことを痛感した。

毎日、途方に暮れて、本屋通いをしていたとき、「こんな表現があるんだ?」と洋書を大量に買いあさった。当時の日本でデザインは、Mac病と言われるくらい一辺倒だった。そこには、スイスらしい構成主義とタイポグラフィのこだわりがあった。どうせ、仕事がなかったのでスイスデザインの模倣をして、自分の表現に吸収しようとしていたころだった。 いつの間にか仕事が忙しくなり、あのときのデザインに対するときめきがなくなっていった。このギャラリーのポスター展を観てまたなんだか魂を揺さぶられた。特にウォルフガング・ワインガルト、ウィリィ・クンツ、エイプリル・グレイマンの名が懐かしい。そして、とにかくかっこいい!

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美しく、輝く、輪を求めて。

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