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執筆者の写真Hidetoshi Shinohara

ターコイズブルー

黄金岬の海の色は、潮の流れによってターコイーズブルーになる時がある。僕が勝手に名付けた「キラキラの丘」から見た真夏の光景は絶妙だ。

ここは、北海道の留萌市にあり、黄金色に輝き夕陽は日本一美しいことで有名だ。僕が中学2年の時、父の転勤でこの見知らぬ土地へ転校してきた。 今から36年も前のこと。よそ者の僕は、「なめられてはいかん!」と思い、上目使いで人を睨みつけ、威嚇していた。本当は、ジョークを言ってみんなを笑わせるのが大好きだった。クラスの中では、いつもギャグを言ったり、特徴を捉えた似顔絵を描いてみんなを笑わせた。教科書の端にはパラパラ漫画を描いたりもした。 クラスの女の子の中に、僕のパラパラ漫画を心の底から可笑しそうに笑う女の子がいた。ある夏の午後、男女4〜5人ずつで集団デートをした。その中に僕のお目当ての子がいた。あまりにもまぶしく、まともに顔を見る事ができなかった。恋というにはあまりにも幼過ぎた。 都会のように遊ぶところなんか何もない。みんなで歩いて、黄金岬まで行った。今では、見晴らしのいい丘には「ふるさと館」という施設ができて、駐車場に木の柵ができていたけど、当時は、何もない草むらのただの丘だった。 そこから見た、真夏の午後の黄金岬の海岸は、マリンブルーとターコイズブルーが入り交じった美しい色をしていた。午後1時。太陽は真上に登り、その丘からは、反射角と入射角が絶妙なバランスで海面をキラキラと反射させていた。辺りは何もなく、日本海からの冷たい潮風が、丘の草むらをそよそよとなびかせているだけだった。僕は、勝手に「キラキラの丘」と名付けた。 夕陽もきれいだけど、僕が一番好きな光景。いつかまた、真夏の黄金岬を見てみたい。

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美しく、輝く、輪を求めて。

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