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執筆者の写真Hidetoshi Shinohara

ボージョレーヌーボー

六本木ヒルズのレストランで、久々に友人と食事をした。仕事ばかりしていないで、「たまには出ておいでよ」と言われ、しぶしぶ六本木まで足を運ぶ。店内に案内される途中のカウンターに、なんと当社でラベルデザインを手掛けたキリン・シーグラム社のボジョーレーヌーボーが並んでいるではないか?


数十案の中から、これに決まり何年も続いている。リニューアルしようにも消費者リサーチをかけると常にこのデザインがトップになるので変更できないとか? デザインの考え方は、年に一度の解禁、お祭り、お祝い、赤ワインのシズルを華やかなイメージと高揚感を出すため、子供の頃、花火の風景をクレヨンで描いたことを思い出し、スタッフと一緒にスクラッチの試作を作ったのがきっかけだった。それをPhotoShopで加工し、さらに印刷で複雑な色指定をして、ゴールドの箔押しを施している。こうやって店内で光の反射を受けると華やかさがあって、きれいだけれど、なんだか、自分達で手掛けたものを世の中に出回っているのを見るとちょっと気恥ずかしい。 デザインするときは、もちろんこの写真のように並べられることを想定して考える。これをマスディスプレイ効果と僕は名付けている。パッケージなどは、一つの単体よりも店頭で積み上げられたときのビジュアル効果も考える。デザインは、世の中に出て多くの人の目に触れ、手に取ってもらうと思うと責任は重大だ。世に送り出す子を見守る心境なのである。

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美しく、輝く、輪を求めて。

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