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執筆者の写真Hidetoshi Shinohara

中道順詩 写真展/Tranquill

来週6月5日(水)から、中道順詩 写真展を開催します。



タイトルのTranquillとは、フランス語で静寂という意味。僕は、中道さんの事務所にお邪魔して、作品を選ばせていただいたときに久々に銀塩プリントの美しさに触れた。世界のファインアートフォトグラフィーが、高画質インクジェットプリントの時代になり、フイルムメーカーも次々とデジタルの時代に移行してきた。フィルムと銀塩プリントは完全にはなくならないかもしれないが、入手困難になってくるのは確実だろう。作品の善し悪しは、プリントの出来だけではなく、作品コンセプトもしっかりしていて、何を世の中にメッセージしようとしているかが大事だと思う。 作品を拝見して、瞬間的に感じたことは静けさだった。とにかく、騒がしい世の中だ。特に都会では、心地良い静けさを確保することがとても難しい。最近とても静けさに憧れる。テレビの騒音も嫌だ。あのお笑いタレントの意味のないしゃべり。報道番組には、必ずゲストとコメンテーターが出てくる。電化製品、エアコン、コンピューターのノイズが人間の第6感を麻痺させているのだそうだ。同じノイズでも小川のせせらぎや草原のそよ風は、心地良く感じるのは地方出身者だからだろうか?創造的な何かを生み出そうとするには、心を落ち着かせ静寂の中に身を委ねることも一つの方法だと思う。都会暮らしでは、騒音を避けることはできないけれど、騒音と静寂のスイッチを切り替えることができれば、心に余裕ができてもっと他人に寛容になれるかもしれない。 こんな時代に中道順詩のモノクロ銀塩プリントに触れると、ほっとするのである。どの写真も静けさを感じ、心を落ち着かせてくれる。

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美しく、輝く、輪を求めて。

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