増毛からサクランボ

僕が青春時代を過ごした留萌という小さな町の隣にある増毛から、サクランボが届いた。そこには高校時代の同級生が経営しているヤマセン仙北果樹園がある。

高校時代には話したこともないけれど、このIT時代にブログやツイッターで知り合うきっかけができた。そもそも僕はいつも眉間に皺を寄せ気難しそうで人付き合いが悪かったのである。今でも結構面倒くさいやつと言われ、巷では泣く子も黙るカミソリヒデと言われている。ツイッターから、同級生の動向が気になり、ちょくちょくその農園のホームページを見ているうち、丹念な仕事振りにサクランボを食べてみたくなった。ツイッターで連絡を取り東京へ送ってもらった。


VIGLOWAのみんなにも故郷のネタに食べてもらおうと思ったが、あまりにも感動的で毎日夜食代わりに自分で食べてしまった。インプレッションは、手のひらにそっと乗せなければ壊れてしまいそうな繊細な肌触りがあり、赤ちゃんの皮膚のように慎重に触らなければならないほどだった。


ごっくんと生唾を飲み、一口頬張ると柔らかい皮膚の感触がプチッ!と弾けて甘みが口の中に広がった。表面の皮がシルキーな肌触り。味だけではなく、口に含んだときの触感まで楽しめる。まるで、ブルゴーニュワインをワイングラスでグルグル回し、空気に触れさせ、まろやかな味になっていくのを楽んでいるかのように...。




僕が18歳で上京したとき高倉健の「駅」という映画が上映された。どちらかというと洋画の方が好きだったけど、雑誌広告に掲載されたPRに増毛という文字が飛び込んできた。田舎が嫌で飛び出してきたはずなのに妙に気になって、新宿の映画館へ一人で観に行った。銭函、留萌、増毛の風景が懐かしかった。青臭い若造は、都会の人間に負けたくないという気負いもあり、自分のルーツを受け入れたくなかったけれど、どこかでそれを否定できなかった。あの頃の気持ちが忘れられなく、今でもこの映画は大好きな映画である。

増毛駅は未だに無人の終着駅。誰もいない。何もない。都会から見たら、本当に何もない田舎だ。それがまた心を清めてくれてなかなかいい...。

ヤマセン仙北果樹園をヨロシクッ! http://kajuen.net/senboku/

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美しく、輝く、輪を求めて。

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