ある平日の午後、車でお台場へ向かった。 何か大きなイベントでもあるのか、首都高のお台場出口は渋滞だった。 車は一向に進まないので、僕はカメラを取り、シャッターを切り出した。
こんな渋滞でも『無駄に過ごすことはできない』とポジティブに考えるところが、僕のいいところでもあるのだ。いや、単に貧乏性なのかもしれない。すぐ、時間がもったいないと思ってしまうところが、ゆとりがないのかな。
高村光太郎の「智恵子抄」に出てくる、智恵子は「東京には空がない」と言った。「ほんとの空が見たい」と言った。智恵子は遠くを見ながら、「阿多多羅山の山の上に毎日出ている青い空がほんとの空だ」と言う。
東京の空は、智恵子の言う、青い空とは違うかもしれない。東京は、大きいものが勝つ、権威のあるものが強いという都市かもしれない。でも、この東京に住む人々は、どんなに地位や名誉の違いがあってもこの大空には太刀打ちできない。
僕は時々、地面の蟻を見ては「おい、こら、ここに巨人がいるのが見えないのか?」と注意したくなる。あんなにあくせく働いている蟻を思わず踏んでしまいそうになったからだ。
あのビルの中で働いている人達は、この大空に較べたら蟻と人間みたいにちっぽけな生き物。取引先やボスの顔色を見てあくせく働いている。この風景を見ていると、大きな黒い魔人が今にも都会の人々に襲いかかろうと忍びよってきているようにも見える。「こら、もっと大きな心を持ちなさい」と。これは、下を向いて携帯メールばかり打っている、都会人への警鐘だ。
>さいとーさま
はじめて、東京に降り立った30年前、そんな感じがありましたね。 東京育ちの人達にはない感覚なのではないでしょうか。 もともと東京育ちの人々にとっては、 迷惑なことかもしれないです。 東京が冷たいと言われるのは、地方出身者の人々が そうさせるのだと思います。 犯罪者も地方出身者が多いですよね。 地方出身者の心構えを変えれば、東京も良くなるのだと思いますが。
投稿者:hide★ :2007年2月17日 19:11
地方出身者の僕にとっては東京の空は特別なものであります。田舎から東京に戻る飛行機からお台場あたりを見下ろすと「またゲームのはじまりか」と思います。ゲームなのか戦争なのか、東京上空からのスタートです。いつもひざがガクガクします。
投稿者:さいとー :2007年2月17日 14:19
>香明さま
飛行機に乗って、羽田に降り立つ時に 窓から見た東京は、まさにありんこのようです。 夜景は、人間の体内に張り巡らしている血管のようでもあります。 東京という体内にも血液が流れているような感じです。 善玉、悪玉、ウィルスが混在して日々戦っているのですね。 東京も刺激的でいいですよね。 やってやろう!って気になります。
投稿者:hide★ :2007年2月17日 11:37
私なら、渋滞したらイライラしちゃいがちですが、 渋滞時間もシャッターチャンスしてしまう所が hide★さんのいいとろこですね! 本当に大都会の空に掛かるどんより雲の写真からは圧迫される感じ伝わってきますね。 上空から見たら、大渋滞の車はありんこの行列に見えそうですね~。 何をそんなにあくせく働く、人間よ! そんな私も、今日は電車の車窓から工場地帯のどんより空を見て、会社に。。。(笑)
お台場も天気の良い日に遊覧船に乗ると、 抜けるような青空が開放的だし、 都会の喧騒からちょっと外れた道を入ると、 ホッとひと息出来るグリーンな空間もあったり して、 視点を変えてみると、大都会も悪くない かもしれないですね。
投稿者:香明 :2007年2月17日 09:14
>N.Kojimaさま
なんだか難しいですが、そんな感じもします。 ただ、言えるのは権威主義に断固と 立ち向かっていく勇気だと思います。 強い者が勝つのではなく、 正しい者が勝つということを実証したいです。 僕は、人の心は共感で動かせると信じているのですが。
投稿者:hide★ :2007年2月14日 23:01