緑と赤が結ばれる時
その後の緑と赤の関係を知りたくて、 紅葉の名所、小石川後楽園へ行ってみた。

緑はソファに腰掛け、新聞を読んでいた。新聞超しに見える赤は、なんだか陽気にはしゃいでいた。趣味も性格もまったく合わない二人であったが、とても波長が合っていた。特に地味でシャイな性格の緑は陽気な彼女といると、表情には出さないが心が昂揚した。今まで緑だけで生活していた世界が見違えるほどいきいきとしてきた。これが幸せってものなのか?

彼女は、とても幸せだった。無口な緑と過ごしていても、ちっとも退屈ではなかった。むしろ、クスクス笑い、黙って赤の話を聞いてくれる緑が好きだった。赤は聞いた。「どう?このワンピース」とスカートの両端をつまみ、身を翻した。「いいんじゃない」と緑は言った。

と、こんな感じで緑と赤は、お互いが重なり合うと真っ黒になってしまう、とても危険な関係だ。でも、こうやって見るとお互いが引き立て合って、活気に満ちているんだよね。(今回は、レイモンド・カーヴァー風)