トップ

丸ビル付近を歩いていたら、天高くそびえ建つビルが目に入った。



最近、あの辺のブティック街が好きだ。東京も悪くないと思うようになった。ニューヨークの5番街みたいで、どこか高級で背筋をピンと伸ばして歩きたくなる。こんなところは、スーツで決めて高い靴を履き、踵の音がカツッ、カツッと鳴るくらいが気分がいい。 僕は、ここに相応しい人間だろうかと思った。世界の高級ブランドが並ぶ。正直、今までブランドモノと言われるものにはあまり興味がなかった。でも、ちょっと気取って店に入ってみるのもいい。「いらっしゃいませ」と店員さん。「何かお探しでも?」と言われ、「ええ、まあ。誰も持っていないモノをちょっと探していて」なんて、かっこつけてみる。もう、そんなブランドモノなんか卒業して、あくまでも誰も持っていない希少価値のあるモノだけ興味があるとでも言いたげな表情をしてみる。 ここまでは、最高の演技だ。自分でもパーフェクトだ。そのあと、目にかなったモノがなかったとでもいうような素振りをして店を出る。 店を出て、向かい側に天に向かってそびえ建つビルが視界に飛び込む。天に向かって霞んでいく様は、どこまでも永遠に続いているかのようだった。神様が「お前はここに相応しい人間か?」と説いているようだった。 僕は、自分に問いただした。いやまだだ。あのビルの見えるトップにさえも行き着いていない。下を見てはいけない。まだまだ、上を見る。そして、あの雲の上まで行ってみたい。

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美しく、輝く、輪を求めて。

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