モデルを連れて、ロケへ行った。モデルは、一年前に買い替えた僕の車だ。アルファロメオGT伝統のV6エンジン3.2Lだ。フォトグラファーの五木田さんが、僕の車を撮影させてほしいというので、千葉の山奥で撮影をしてきた。
いろいろな角度から、眺めているとベルトーネのデザインは美しい。なぜ、こういう発想ができるのかいつも不思議に思う。後ろ姿など、日本の自動車メーカーにはマネできない。いや、こういう車が世に出てから、日本車はちょっとマネをする。
バックスタイルはまるで琳派の空間表現のようだ。両サイドにテールランプをおいもきり端に寄せ、真ん中にエンブレム以外何もなく、すこーーーんと抜けがある。本当は、こういう間の取り方は、日本のお家芸なんだけどなあ。きゅっと、ヒップアップされていて、思わずなで回したくなってしまう。大きくもなく、小さくもないボディサイズは、ほど良いタイトさだ。
デザインだけではない、30年以上も続いているアルファ伝統のV6エンジンがこの車種で最後になる。次のモデル、159とブレラを試乗してみたけれど、中味はアメリカ製のGMエンジン。なんだか、ウィーーーンとモーターみたいなエンジン音だった。 この最後のV6エンジン、ディーラーに問い合わせたら、ボディカラーが赤なら在庫があるという。黒のボディで赤のレザーシートが手に入るのであれば、すぐに買うと言ったら、本国イタリアに問い合わせてくれた。赤のレザーシートは、オーダーで半年待ちだと言われたけれど、何年でも待つからそれを取り寄せてくれと、すぐに注文した。アルファ155V6に乗っているのだから、別に急いでいるわけでもない。この車は、車を買うというよりもエンジンを買うという感覚。 普段、あまり車に乗らないから別になくてもいい。ちょっと贅沢な工芸品見たいなものかな?これって、「うちの子って、可愛いんだよね」と言っている愛犬自慢みたいなものかな?この後のGTは、全て右ハンドルの2.0LGMエンジンになってしまった。間に合ってよかった。
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