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執筆者の写真Hidetoshi Shinohara

そして大空へ

うまく飛べるかどうかなんて、やってみないとわからないではないか?でも、ちょっと怖いのでイメージトレーニングをしてみる。目を閉じ、イメージしてみる。深呼吸をして思いっきり助走する。足下は、ぐらついていたけどなんとか離陸に成功。


なんだ、やればできるじゃやないか?身体がふわっと、浮いた瞬間、感動的だった。あの飛行機の離陸の瞬間のようだった。人間が作った機械に頼らなくても自力で飛ぶことができる。あくまでも空想の中だけど。壊れかけた桟橋を踏切り台に思いっきり助走をして飛び出してみた。気分がいい。どんどん、下界の風景が小さくなっていく。


現状に満足できないのなら、飛べばいい。不況の中、広告業界はリストラが多いと聞く。どこの難民キャンプへ行っても溢れ返っている。その人達は、まだその惨状を知らない。そして、配給された食料を奪い合う。

僕は、一足先に宙を舞い飛び上がった。下を見下ろすと「キーッ、キーッ、キーッ」大騒ぎして、餌をむさぼり合う鳥達が見える。残念だけど、そこには餌はないよ。

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美しく、輝く、輪を求めて。

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