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執筆者の写真Hidetoshi Shinohara

アンディ・ウォーホル様

神宮前の新オフィスからキラー通りを歩いて、六本木ヒルズの森美術館へ行ってきた。いまさら、ウォーホル論など僕が語らなくても文献がたくさん出ているのでそちらにお任せするとして、僕が影響を受けたことをちょっと語ろう。



写真は、六本木ヒルズの森美術館アンディ・ウォーホル展入口に展示してあった、BMWレーシングカー。ウォーホルがこの車にペインティングしている映像も流れていた。 ウォーホルの一番好きなところは、作風もさることながらアートをビジネスと捉えていたところである。元々は、ニューヨークで商業デザインからスタートしているので、難解なアートよりも大衆性を取り入れた作風が、あまりウォーホルを理解していない人でも直感的に楽しめる。そして、今までのアーティストはこうあるべきであるという概念をくつがえしたこと。 「アートは、単なる装飾物」などと言ってみたり、シルクスクリーンを分業して作品を大量生産するので、アトリエではなくファクトリーと言ったり。どうすれば有名になれるのか徹底的に分析して、ニューヨークの夜の街へ繰り出し、パーティというパーティをはしごして、有名人の写真の後に必ずあのトレードマークのシルバーのヘアスタイルで、ちらっと写っていたり...そのうちに必ず有名人の後に写っているあの男は誰だ?と話題になったり...そういう、したたかな努力を怠らなかったことがすごく好き。 今回の森美術館でのウォーホル展は、僕が以前からずっと気になっていた「エンパイア」「イート」など、数多くのウォーホル作の映画も上映されていた。 また、毎日の手紙やゴミ、様々なコレクションを箱に入れて保存した、タイムカプセルも展示してあった。この「エンパイア」とタイムカプセルにすごく興味を持っていたので、今回、初めて見ることができて感動だった。以前、読んだ本には、ウォーホルがハンバーガーを制作途中に食べ残したものまで、アシスタントが捨てようとしたことを叱って箱に入れて紐で縛り、その日の日付を入れて保存したという話があった。さすがにそれは展示していなかったけれど、今回の展示会場の解説には、ウォーホルは捨てられない性格だったようなことが書かれていた。 なぜ、そのようなどうでもいい話を覚えているかというと、作家の日常の行動や言動から、作品の裏側を知りたかったからかもしれない。 30年以上前には、すでに「アートは、単なる飾り物」という言葉を残すことがすごい。VIGLOWAに売り込みに来る日本の作家の中には、自分の作品を「インテリアアートとは何事だ!」という人もいるけれど、ウォーホル程の独自性を生み出してもいないのにプライドだけが先行していまっているような気がする。僕は、インテリアアートとは、言っていない。インテリアに合うアートと言っている。インテリアとは、「室内の」という意味なのだから部屋に飾るアートのことである。ウォーホルはすでに単なる装飾物とまで言い切ったことが潔くて好きだ。 ウォーホルは、語っても語り尽くせないくらいだ。最後に僕が一番影響を受け、アイデアに行き詰まった時に勇気を与えてくれる言葉を紹介しよう。「全てのものは、アートになる」

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美しく、輝く、輪を求めて。

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