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執筆者の写真Hidetoshi Shinohara

バッドな信号

事務所の近くに、3方向の_が青に点灯する信号がある。車を運転していて、赤信号で止まっている時、突然、「どこへでも好きな方向へ行っていいんですよー」と言われているみたいで非常に戸惑う。しかも、赤なのに青。どういうこと?



そういえば、デザインっていう仕事は、スケジュール、予算、政治的圧力、さまざまな要因が絡んで進行していく。だから、たまに「自由に遊んじゃってください」とか言われると、心の中で『うっそだぁ〜!』と叫んでしまう。だって、そうじゃありませんか〜っ!自由なんて言葉を豪語する人ほど、自由じゃないじゃない。自由の国、アメリカは、自由なんかない。もちろん、一定の前提条件の上での自由だと思うけど。


求人広告を見ていると「あなたの才能をフルに生かして自由に暴れてください」なんて、魅力的なことを言っている企業があるけれど、僕は、その社長さんに聞いてみたいね。こんなことを言ったら、今の若者は「ラッキー」と思って勘違いしてしまうんだよね。そして、入社して自由じゃないことに気が付いてすぐ辞めてしまい、どんどんニートが増えてくる。


自由、なんて魅惑的な響きなんだろう。当社では、プレゼン前、スタッフにいつも「自由は、ないっ!その苦労の後に喜びが訪れる」と叱咤激励する。そりゃー、僕だって自由を手に入れたらどんなに素敵かと夢見るよ。多摩川の土手でギター片手に、鼻ほじりながら、一日中、ぼーっと青空を眺めて雲のかたちをいろいろ空想している、なんてね。


以前、箱根の森美術館でヘンリー・ムーアの彫刻を見た時、もしも、もしもだよ、「篠原さん、ここで自由に遊んじゃってください」って、なんセンチもの札束を積まれた時には、困っちゃうなー。いつもの口癖で現状の問題点は?ターゲットは?市場でのポジショニングは?あー、いやだ、いやだ。業界言葉が身についてしまって、なんとかならんもんかな。

こうでも言わないといきなり、銀河系宇宙のど真ん中に放り出されたような気になるんだよ。今度、あの信号で止まったら、勇気を出して突進してみよう。

閲覧数:23回

8 commenti


>ichieさま

ありがとうございます! とても光栄です。 学校で習ったことは、本当に基礎の基礎です。 みんな、社会人デザイナーになって、そのギャップを思い知るのです。 日頃から、いろいろな視点で物事を観察することが大切だと思いますよ。 ぜひ、最近のブログも覗いてみてください。

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20 nov 2019

こんにちは!私は今短大生でデザインの勉強をしています。今は就職活動の真っ最中で、インターネットで就職について探していたら、たまたまこのブログにたどりつきました。まだ実際にデザインの仕事はしたことがないのですが、書かれていることがとてもためになります。  これからもちょくちょく見させていただきたいとおもいます!

投稿者:ichie :2007年9月26日 20:35

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>平野直彦さま

へ〜、東京以外でもこんな変な信号あるのですか? 青信号だけじゃ、ダメなんですかね。 大人の考えていることは、とても不思議です。 とても参考になりました。 ありがとうございます。

投稿者:hide★ :2007年8月22日 21:17

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20 nov 2019

こんにちは。沢田研二の「恋のバッドチューニング」 を調べてこのページにたどりつきました。 はい、広島県とか岡山県にもこの手の信号、あります。 たぶん「君は左も右も直進もOK。対向車には赤が見えてますよ」 と知らせているのだろうと僕は解釈してます。 大阪府の信号解説ページを見ると大阪府は少し違うのかもしれません http://trafficsignal.jp/~mori/sosk71.htm

投稿者:平野直彦 :2007年8月22日 20:53

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>yachiサマ

こんな信号、ほかにもあるんですか?

投稿者:hide★ :2006年12月30日 13:18

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美しく、輝く、輪を求めて。

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