忍び寄るカゲ

恵比寿ガーデンプレイス39階で撮影だった。 晴れ男の僕は、人差し指を天に向けて仰ぐと、 モーゼの十戒のように雲が左右へとひいていった。



それにしても、東京という都市は建物が密集していて、上から見下ろすと圧倒される。特に恵比寿は、オフィス、店舗、住居が混在しているようだ。真ん中には、東京タワー、左には六本木ヒルズ、右にはレインボーブリッジが見える。


そして、恵比寿ガーデンプレイスを見下ろすと、住宅街一帯が、窪んだように低く立ち並ぶ。そこへ巨大な黒いカゲが、おおい被さるように長くのびる。六本木ヒルズや東京タワーさえも飲み込んでしまいそうな勢いだ。不気味でもあり、絶景でもある。


権力の象徴は、どこまで戦い続けるのだろう。僕の嫌いな「勝ち組」、「負け組」という言葉。この巨大な実態のないカゲは、何に勝っているのだろうか。


そんな事を考えながら、モーゼに成り切っていた僕は、なんだかこの巨大な黒いカゲを操っているような錯覚に陥った。とうとう東京を征服したか!(いや、そんなことはない!)

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美しく、輝く、輪を求めて。