桜が去っていく

夕方から、豪雨だという。 雨が降らないうちに近くの森へ、桜を見に行った。


なんと、かなり散っているではないか。小さな森の池には、桜の花びらが浮いて、どこかへ流れていく。恋い焦がれた、桜が去っていく。


寅さんが、なぜ、48回も失恋し続けたかって?実は、永遠の憧れの女性は、さくらだったからという説がある。妹への思慕は、禁忌だから放浪の旅へ出るしかないということなのだ。


流れ去るさくら、いや、桜を見ていると、水面に映った、山吹の花の鮮やかな黄色が、まるで、太陽のように明るく破天荒な寅さんのようでもある。そして、さくらは、一歩下がって、見守り優しく癒してくれる。寅さんは、そんな女性を求めて、あてのない放浪の旅にでる。



僕は、そんな桜を見届けて、小さな池を後にした。途中の遊歩道では、山吹の花が鮮やかに咲いていた。散っていくものと、鮮やかに咲き誇っているものが、すれ違っていくようだ。「また、来年会えるさ!」とさくらに、いや、桜に言い残してそこを後にした。

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美しく、輝く、輪を求めて。

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