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執筆者の写真Hidetoshi Shinohara

湖畔で生きる

ポロト湖畔には、鮮やかなマリーゴールドが咲いていた。 北国は10月だというのに、花は満面の笑みを浮かべて、 僕に微笑みかけてくれる。 この花の花言葉は「生きる」だ。



これは、フレンチマリーゴールドという品種のようだ。5月〜10月まで咲く、多年性植物。最初はパリのフランシス王の庭園に入り、各国に流れたということだ。観賞用としてもきれいだが、根に線虫の防虫効果があるということから、作物の間に植えられることもあるらしい。


マリーゴールドの名前の由来は、聖母マリアの祭日に咲いていたため「マリア様の黄金の花」と呼ばれている。マリアのゴールドで、Mary' gold。17世紀ころの絵画によく登場する。

第二次世界大戦中にイギリス空軍パイロットが、偶然ブルーベリーを食べて、視力が良くなったという話は有名だ。その話を聞いた、ある製薬会社がそれを上回る効果をもつものを捜していたところ、マリーゴールドの花びらから抽出されたということだ。

その成分から、暗順応改善薬「アダプチノール」が作られて、現在では目の薬として使用されているそうだ。


それにしてもこんな空気が澄み切った青緑が多い湖畔の風景に、寒々しさを補うかのように鮮やかに咲いている。仕事でカラーリングを考えている時、まずはテーマカラーの同系色でコーディネートする。それから、スパイスとしてワンポイント、反対色を入れるとそのデザインが急に力強く生き生きと甦る時がある。


一歩、間違うと、目が痛くなる程の強烈なハレーションを引き起こす際どい配色。だから、力強く「生きる」なのか?

閲覧数:23回

6件のコメント


Hidetoshi Shinohara
Hidetoshi Shinohara
2019年11月21日

>uenchi様

僕もポロト湖というのは、初めて知りました。 北海道に住んでいても何も見ていなかったんですよね。 この歳になって、やっと人並みの感受性が 身に付いてきた感じです。

投稿者:uench :2006年12月30日 10:27

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2019年11月21日

hide様 前回の野菊といい、このマリーゴールドといい、美しいですね。 深いため息が聞こえてきそうな切なさが感じられる風景です。ポロト湖畔というのですか。知りませんでした。 日本じゃないみたいですね。 じっと冬を待つ湖畔に咲く野菊やマリーゴールド達が、hideさんにお披露目されてきっと喜んでいると思いますよ。 ほんとに綺麗。 そしてそれを見つめる感性にも感服です。

投稿者:uench :2006年12月30日 10:23

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Hidetoshi Shinohara
Hidetoshi Shinohara
2019年11月21日

>N.Kojima様

色には全て意味があると言います。 グレーは、クールという言い方もあるけれど、 都会特有の他人に無干渉で感情を押し殺した印象がありますよね。 このマリーゴールドのようにはっきりくっきり、 Yes!と言っているような感じがして潔いです。 オレンジには、太陽の燃えるようなイメージもあり、 人々に取って希望の色でもあります。 自然って、なんだか全て理屈が通っているのですよね。 やっぱり、神様が創ったのでしょうか?

投稿者:hide★ :2006年12月30日 10:22

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2019年11月21日

勉強になります。 そうだったんですね〜。 都会はグレー系が多いので、すっきりと機能的な 印象もありますが、美輪さん曰く、

「犯罪の似合う配色」と言っていました、なるほどと ある意味思ったものです。 教会のステンドグラスは木漏れ日で、柱は木の幹 というコンセプトだったり、日本人のルーツ的には 八百万の神がいて、木霊だとか、川の神とか 自然の一つ一つに神がいたりで、 人間の活動と文化は、自然と共存するなかから 生まれたのでしょうし、自然って先生なんでしょうね。 マリーゴールドの濃くのある黄色というかオレンジは なかなか、出ない色ですね。

投稿者:N.Kojima :2006年12月30日 10:21

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Hidetoshi Shinohara
Hidetoshi Shinohara
2019年11月21日

>Rei様

本日、久々に表参道ヒルズへ行ってきましたが、 何か日本は、人工物を作っては壊しの 繰り返しのような感じがします。

恵比寿ガーデンプレイスはもはや閑散とし、 丸ビルもある程度落ち着き、 六本木ヒルズと表参道ヒルズは賑わっているけれど、 いつかは忘れ去られるのでしょうか?

東京は、空襲があったせいもあるかもしれないけれど、 なぜ古い建物をもっと生かしていかないのでしょうかね。

ビジネスである以上、その人工的なところが、 東京の面白さなのかもしれませんが。

投稿者:hide★ :2006年12月30日 10:12

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美しく、輝く、輪を求めて。

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