Adam Westonとの出会い

昨年5月のある日、高松のある日本人男性からニューヨーク出身で、抽象絵画とカッパの絵を描いているアーティストと会ってほしいと連絡があった。



最初、あまり気乗りしなくて、会っても期待に応えられないかもしれないと伝えた。なぜなら、最近、作家には散々な目にあっているからだ。心底惚れ込む作家に出会うまで、企画展はしばらく休止しようと思っていたところだったから。その後、日本人女性から連絡があり、しぶしぶ会うことになった。その女性は、Adamさんの奥さんだった。 二人は、僕のオフィスに訪ねてきた。僕が、なぜ気乗りしなかったかというと、「いまどきカッパ?ダサッ!」僕は、ニューヨークの洗練されたかっこ良さが好きなのである。 二人に会ってみると、とても仲が良く幸せなオーラが漂っていた。Adamさんは、優しい笑顔で僕に接してくれた。もともとは、僕と同業者のグラフィックデザイナーだった。オフィスの蔵書を見て、国境を超えて同じ時代を生きてきたクリエイーター同士の話題で盛り上がった。英語と日本語のチャンポンで会話し、あっという間に2時間は過ぎただろうか?奥さんは、ちょっと置いてきぼりで可哀想だったけれど、僕が20代の頃からニューヨークに憧れた、現代作家、音楽の話、広告業界の話は尽きない。その後、40歳を過ぎてニューヨークへ行ったので、Adamさんの話の内容から、情景が浮かんだ。 この出会いから、ちょうど4ヶ月が経った。銀座で展覧会を開催すると通知が来たのでさっそく行ってみた。ステートメントが素晴らしかった。なぜカッパなのか?そこに答えがあった。彼のお父さんは、アーティストとして東京の銀座で活躍していたのだ。子供の頃、日本のお土産にカッパのお面や北斎の画集、日本の工芸品を買って来てくれたそうだ。幼少の頃、両親は離婚し、母親に連れられて世界を転々とする。その旅行先のポルトガルで、トラックに轢かれ意識不明の重体に陥ったそうだ。それ以来、成人するまで何度も大手術をする。そして、父親のマンハッタンと母親のメイン州のイーストポートを行ったり来たりの生活が始まった。この絵のスタイルとカッパは、Adamさんのアイデンティティーなのである。 僕は、アートというモノは、作家の心の投影だと信じている。だから、人柄が悪い人は作品にそのような波動が出る。彼のように愛情に満ちている人は、作品にもその波動が伝わってくるものである。このようなアートを部屋に飾ると、きっと、愛に満ちた空間になるに違いない。ここでいう愛とは、人を愛する、自分を愛する、自然を愛する、生命を愛することだ。 カッパは、彼の父親に対しての憧憬なのかもしれない。

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美しく、輝く、輪を求めて。

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