Under The Bridge
この曲は、レッチリの中で僕のお気に入りの曲だ。ジョン・フルシアンテのギターが物悲しくアルペジオで弾き始める。この曲を聴いたのは、日本がバブル経済真っ盛りでそろそろ弾け飛ぶときだった。あの騒がしいファンキーなレッチリが、こんな物悲しく悲壮感のある曲を発表しても浮かれていた日本人の多くの人には理解できなかっただろう。

初代ギタリストのヒレルが薬物で死んでしまい、親友を亡くしたアンソニーの悲痛な叫びとでもいうのであろうか?
ときどき、おれにはパートナーなんかいないんじゃないかと思う。 おれの一番の友は住んでいるこの街なんじゃないかと思う。 天使の街、こんなひとりぽっちのおれと一緒に泣いてくれる。
こんな出だしで始まる曲。どんなに華やかな成功者の裏にも、生みの苦しみがあるものである。なぜ、人はどん底のとき、橋の下に逃げ込みたくなるのか。この世で、誰からも見放されて誰も信じられなくなるからなのかもしれない。底辺のさらに末端である橋の下に潜り込み卑屈になる。僕は、そんなよわっちい人間を責めたりなんかしない。いつの間にか、僕自身もこのレインボーブリッジの下に潜り込んでいた。でも、僕には、この曲の内容と違ってたくさんのパートナーに救われている。 一緒に立ち上がればいい。そして、この橋のように求めている人と求められている人の架け橋になればいい。VIGLOWAは、そんな想いで立ち上げた。
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